時代と切り離せない音や像がある。その端っこに、若くて熱かった自分がいる。落ち込んだ日など、私たちは時の引き出しから熱い記憶を取り出し、少しだけ元気になる▼
70年代に青春が重なる方なら、耳目にキャンディーズを呼び出せるかもしれない。私事になるが、上京の春は「年下の男の子」、下宿を移った2年後には「やさしい悪魔」。どちらの旋律も、引っ越しのホコリの中で流れていた。彼女たちの解散から、きょうで30年になる▼
旧後楽園球場での解散公演は5万人を集めた。紙テープで埋まったステージ。3人は最後の曲の中で「本当に、私たちは、幸せでした」と叫び、高く手を振り、抱き合って泣き、肩を組んだまま奈落に消えた▼
ほぼ同じ場所で今夜、当時のファン組織、全国キャンディーズ連盟の有志らが企画した「大同窓会」が開かれる。約1万円の参加費には紙テープ10本が含まれ、2千人の働き盛りがあの日の映像に放つはずだ▼
発起人に名を連ねる大手電機メーカー社員(52)が言う。「皆でアイドルを超えた存在にしようと燃えた4年間は、人生のベースになりました。それぞれ成長した全キャン連の仲間と集い、次のステップへの手がかりにしたい」▼
解散宣言の「普通の女の子に戻りたい」は流行語になった。伊藤蘭(53)、田中好子(51)のお二人は今も芸能界に、藤村美樹さん(52)は家庭にいる。いずれも参加の予定はない。されどこよい、普通のおじさんたちが同時代の引き出しを合鍵で開け、少し元気になる。そしてたぶん、明日の日本も。
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