천성인어

2008年04月08日(火曜日)付

ahoi-i- 2008. 4. 10. 07:43

 1年で50キロ減量した評論家の岡田斗司夫さんは『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)で、太ければ太っている分だけ損をすると言い切る。見た目で不当に評価されたくなければ、やせる努力をという旨だ。周りの視線を力に転じ、己を変えよと▼

 

 

今月から始まったメタボリック症候群の健診制度も、そこを狙っているふしがある。わが身に測られたくない場所は多々あるが、その一つ、腹回りの測定が40歳以上に義務づけられた。顔を赤らめ、巻き尺を引き絞ってもらったところで、男のメタボ基準とされる85センチは遠い▼

 

 

さらに血圧などが一定値を超せばメタボと判定され、専門家の指導を仰ぐ。内臓脂肪が引き起こす病の怖さは知りながら、健診の苦手科目がまた増えたと浮かぬ顔も多いのではないか▼

 

 

新制度いわく。膨れた医療費を削るには膨れた腹を削るべし。だが、着衣のままや、自分で測ってもいいらしいと聞けば、そもそも腹が本当に決め手なのか疑いたくもなる。国公認の「準病人」を増やし、医療ビジネスが肥えるだけ、との見方もあるようだ▼

 

 

「腹回り絶対主義」に異を唱える医師、鎌田實さんは、肥満と正常の境目の「ちょい太」がよろしいと、うれしいことを言う。170センチなら75キロあたりが「ちょい」だとか▼

 

 

メタボの響きは情けなく、肥満の森で途方に暮れる様は「迷太暮」とでも当てたくなる。あげくに国策で腹をさらし、恥をさらす。それを減量の糧にしようがしまいが、体は自ら律するしかない。まずは「ちょい」に向かってぼちぼちいくか。